「モチベーションが上がって、練習に集中できた!」
「モチベーションが下がって、練習に身が入らない・・・」
そんな言葉をよく耳にします。
motivation・・・直訳すると「動機付け」「刺激」という意味もありますが、日常的には「やる気」という意味で使用しますね。
どんな時にモチベーションが上がるのか、または、下がるのか。
それは、人によって様々です。
例えば・・・
スパーリングで、ローを効かされて、まともに歩けないくらいのダメージを負った。
この事実に対して、モチベーションが下がる人もいるし、反対に、モチベーションに火がつく人もいます。
褒められて伸びるタイプもいれば、叱られて燃えるタイプもいるということと似ていますね。
モチベーションは、炭火のようなもので、そこにどんな風を当ててやるかによって火力を強くすることも弱くすることもできます。
そして、その風は、自分で起こすこともありますが、指導者が風を当ててやることで火力を強めることもできます。
自分で、モチベーションを保つには、比較的すぐにクリアできる小さな目標を立てて、自分に達成感を与えること。
腕立て伏せ、腹筋、スクワットなどの筋トレで、回数を決めてそれをクリアするなんて言うのは、誰もがよくやることだと思います。
試合に出て勝つことは、ほとんどの人にとって、モチベーションアップになるでしょう。
難しいのは指導者が、練習生のモチベーションを上げることです。
その練習生の個性をよく分かっていないと、まったく逆効果になったりします。
指導者本人の個性と練習生の個性は、まったく別のものだということを理解していない指導者が多すぎます。
指導者が、自分はこれでモチベーションが上がるからと、それをどの練習生にも強要するというのは、練習生離れを招きます。
・指導者が練習生に、一つの言葉を投げかけた時。
・少し強めのスパーリングをした時。
・練習生の攻撃をもらってしまった時。
・練習生に試合を進めた時。
・・・などなど、指導者は、これらのあらゆる場面で、その練習生がどんな反応をするのかを注意深く見守ってください。
そして、どの練習生が、どんなときにやる気スイッチが入るのかを見抜くことが大切です。
指導することは、自分の練習にもなり、勉強にもなり、人を深く知ることにも繋がります。
名選手が、優れた指導者になれるとは限りませんが、優れた指導者は、誰もが深く鋭い洞察力を持っています。
指導する技術も練習と経験で向上していくものだと考えています。