キックボクシングを始めた頃、周りにいる練習生の殆どに勝てる気がしないのは当たり前のことです。
喧嘩慣れしていたり、一般人よりも体力があったり、めっぽう気が強かったりして、最初から強い人もいますが、そんな人は稀ですね。
練習を重ねていくと、攻撃力やディフェンス技術も上がり、A君になら勝てるけど、B君には勝てないかも、ということも分かってきます。
そして、C君とは実力の差がありすぎて、どう転んでも勝てないということも分かってきます。
この「どう転んでも勝てない」と言う相手は、なんだか自分とは別次元にいるようにさえ感じます。
要するに「あちら側の人」です。
見えている景色が違うんだろうな、という想像はできても、何がどう違うのかは分かりません。
ところが、諦めずに練習を続けていくと、今まで「あちら側」だった人が、「あれ?こちら側にいるぞ?」と感じるようになってきます。
それは、もちろん、自分が高い次元に登ってきた証拠です。
それでも、ふと上を見ると、上の方にはまだまだ「あちら側の人」がたくさんいます。
そうやって、自分をどんどん高めていくことが、キックボクシングの面白さだと思っています。
「自分とは違う次元にいる。」
そう思える人が、身近にいるのは、とても贅沢なことです。
そんな人とグローブを合わせることにより、なぜ「あちら側の人」に感じるのかを考え、それが見つかったら、そこを自分に取り込むような練習をすればいいのです。
最近、私自身が、続けてそんな思いをしたので、こんな記事を書いています。
見えている世界が違うな~と思いました。
あちら側に行きたいな~と思いました。
あちら側の景色が見てみたいのです。
恐らく、私にとっては、どこまで行っても「あちら側」があると思います。
だから、キックボクシングは楽しくて、やめられませんね。