動きの速い選手は、他の選手達と何が違うのでしょうか?

筋力でしょうか?

体幹でしょうか?

それとも、体全体の筋肉の中で、速筋の割合が多いのでしょうか?

それらのうち、どれが正解なのかは分かりません。

とにかく、スピードを上げたいのであれば、まずは次に挙げる3つの練習を意識的に行ってみましょう。

1つの呼吸で2発の攻撃を出す

punch

例えば、左ジャブと右ストレートの組み合わせ、つまり、ワンツーを打つときを考えて下さい。

一般的には、「シュッシュ」と二回の呼気とともにワンツーを打つ人が多いですね。

実は、この二回の呼気が、ワンツーのスピードを上げる邪魔をしています。

試しに、「シュッ」と一回の呼気でワンツーを打ってみてください。

なんとなく、ワンツーのスピードが上がったような気がしませんか?

「気がする」というのは、とても大切なことです。

スピードが上がったような気がしたのなら、もっと速く打ってみてください。

もっと速く、もっと速く・・・

常にそれを意識できるのは、呼気を一回にしたからです。

呼気を二回にしていると、その呼気に動きを合わせてしまうので、ワンツーのリズムは、そのスピードのまま固定されてしまいます。

構えた位置から打点までを瞬間移動する

kick

蹴りのスピードを上げたいのであれば、速く蹴ろうとはしないでください。

う~ん、これは矛盾した言い方ですね。

言い方を変えましょう。

蹴り足が相手に届くまでのスピードを上げるという感覚を捨てて下さい。

蹴り始めから時間をワープして、相手に蹴りが届いている感覚を持って下さい。

つまり、蹴ろうと思った時点から、時間をワープして、次の時点では相手に蹴りが届いている。

足先が走っている時間を飛び越えて、時間を瞬間移動する感覚です。

蹴り足が、相手に届くまでの経過は存在しません。

どんなに腕の良いカメラマンでも、蹴り足が相手に向かって走っている途中をカメラに収めることが出来ない。

そんな意識で蹴ってみて下さい。

その意識が、蹴りをどんどん速くしてくれます。

速く見せるためのコンビネーションを考える

high kick

速いコンビネーションを武器にしている選手は、パンチのスピードや蹴りのスピードが速いのでしょうか?

もちろん、そういう選手もいます。

ワン・ツー・フックからの右ローが異様に速い選手とか、いますよね。

体のスピードが速いのなら、それは当たり前のように速いコンビネーションで闘うことができます。

では、体のスピードが速くない選手はどうしたらいいのでしょうか?

ワン・ツー・フックからの右ローを例に挙げるなら、

リズムは、パパン・パン・パン でしょうか。

ここで、フックから右ローの間に、軽い右ストレートを加えてみてください。

リズムは、パパン・パン・パパン になります。

これをやられた相手は、とても速いコンビネーションで攻撃されたように感じます。

要は、本当に早いコンビネーションなのか、もしくは、速く感じられるコンビネーションなのか。

それだけの違いです。

自分の得意技を組み合わせて、速く感じられるコンビネーションを作ってみてください。

実際には速くなくてもいいんです。

相手に、こちらの攻撃が速いと感じさせることができれば成功なんですから。