前回の記事「打点を意識するということ【ローキック編】」では、間合いによって蹴る部位を変化させるという内容でした。
今回、ミドルキック編では、蹴る部位と蹴る目的にも触れていきたいと思います。
ミドルキック
まず、ミドルキックを蹴る目的を考えてみましょう。
目的は、3つ。
- 相手の前進を止める。
- 相手の腕を壊す。
- ガードの下から脇腹にめり込まる。
それぞれの目的によって、蹴り方が変わります。
相手の前進を止めたり、腕を壊しに行くなら、スネが相手の正面から当たるように蹴ると効果的です。
体重を相手に預けるように、思い切り腰を入れて、蹴ります。
でも、脇腹を狙うのであれば、ちょっと違います。
人間の肋骨は、正面からの攻撃には意外に強いものです。
肋骨は側面または背面からの衝撃にダメージを受けやすくなっています。
下の図の①の部分を真横から蹴るなら、スネの部分で真横から衝撃を与えるような角度で蹴ります。
そして、②の部分、背中側の肋骨を蹴るという意識を持つ人はなかなかいないと思います。
背中側の肋骨にダメージを与えるときは、足首を相手の胴体に巻きつけるイメージで、足の甲を相手の背中側の肋骨にぶつけます。
背面の肋骨に力強くクローンヒットできれば、思った以上のダメージが与えられます。
サンドバッグを蹴るとき、サンドバッグを上から見て、時計回りに回転させるように蹴ってみてください。
これが、ガードを壊す正面からの蹴りです。
真横から蹴れば、サンドバッグは回転しません。
そして、相手の背中側に近い肋骨を叩き折るように蹴れば、サンドバッグは、上から見て反時計回りに回転します。
蹴った後、サンドバッグがどちらに回転するか。
そんなことを意識しながら蹴ってみると面白いと思います。