経験者を指導する

初心者に教えるときには、何も出来ないところから、ある程度できるようになるところまで、比較的スムーズに行くことが多いので、教えていても楽しいものです。

ある程度実績のある経験者は、彼ら自身の考え方もあり、体の使い方もできている場合が多いので、教える方ときに意識することが少し変わってきます。

経験者に教えるときはアドオン方式で

「そんなんじゃダメだよ!こうやるんだよ!」

こんな言い方で教えている指導者をたまに見かけます。

これは、選手の動きを否定した上で、修正させようとしています。

こういう教え方は、自分の考え方を押し付けているだけで、選手の個性を潰してしまいます。

 

経験者の中には、とてもきれいな動きを身に付けている人と、とても癖のある動きをする人がいます。

そして、どちらもある程度、強い選手だったりします。

OKファイトサークルの考え方としては、どんな選手も否定しません。

きれいな動きを身に付けている選手には、まず、そこに足りないものを探し出します。

パワーが足りないのか、リズムが単調なのか、気持ちが弱いのか。

そして、アドバイスや練習によって、足りないものを付け足していきます。

 

また、とても癖のある動きをする選手には、その癖を修正させないことが多いです。

癖というのは、他の人にない動きです。

変な動きだけどパンチが強かったり、おかしなフォームだけど、よけづらい蹴りだったりします。

癖を長所と捉え、そこにも足りないものを付け足していきます。

 

つまり、常にアドオン方式で教えることを心がけています。

アドオンは、Add on です。

つまり、付け足すことです。

 

ワン・ツー・フックのコンビネーションを同じリズムで打つ選手には、少しリズムを変調させるだけで、更に実践で使えるコンビネーションになります。

攻撃の後、反撃をもらいやすい選手には、攻撃の後に、一歩左にずれてみてとアドバイスするだけで、反撃をもらう確率がぐんと下がったりします。

 

実は、初心者の動きにしても、ほとんどアドオンで指導できます。

否定をせずに、肯定した上で、そこにアドオンする。

練習生は、自分に新しい技術が加わっていく喜びで、練習が楽しくなります。

指導する方は、練習生のいいところを見つけ出し、それを活かす何かを付け足していくことで、自分自身の勉強になります。

 

練習生は指導者に教わり、指導者も練習生から教わる。

それが、OKファイトサークルの考え方です。