「キックボクシングが強くなるには、何をしたらいいですか?」
この質問をぶつけた二人目の世界チャンピオンは、
ムエタイ世界王者 石井宏樹選手です。
2014年の夏合宿の宴会の場で聞いてみました。
石井選手の回答は、
「自分が試合で負けた選手に教わることです。」
石井選手自身も、試合で負けたとき、相手のタイ人に教わるためにタイまで行ったと言います。
この回答は、嬉しかったです。
私がナイスミドルのベルトに挑戦する前に闘って負けた選手が2人います。
本多選手(元日本ミドル級1位)と川辺選手(現ナイスミドル ミドル級チャンピオン)です。
ベルトに挑戦するために、彼ら二人にお願いして、スパーリングをしながら自分の弱点を聞きました。
それがあったから、ベルトを手にすることができたと、今でも思っています。
だから、試合で負けることは、自分の先生が一人増えることだと考えるようになりました。
悔しいけれど、嬉しいような、心強いような。
そんな微妙な感覚です。
そして、試合で接戦になった選手、もしかしたら敗けていたかもしれないと思う選手とも、試合以降は一緒に練習をしています。
キックボクシングは、リングの上では一対一の個人競技です。
しかし、実際には一人では何もできません。
試合だってセコンドがいなければできないし、練習だって仲間がいてくれるからこそ強くなれるのです。
だから、今では、自分だけが強くなるのではなく、みんなで強くなりたいと思っています。