試合の勝敗を決める要素は何でしょうか?
それは、お互いの選手のレベルによって大きく違ってきます。
【1】
ディフェンスよりも攻撃優先で、バチンバチンとパンチを打ち合いながら、先に倒れたほうが負けるというような試合。
見ている方は、迫力満点で面白い試合です。
選手本人も、殴り合いに勝ったわけですから、俺のパンチのほうが強かった!という実感を持つでしょう。
【2】
当たれば一発で相手を失神させるようなパンチを持つ選手同士では、いかにパンチをもらわないようにするのかを考えながら試合をするようになります。
相手の攻撃をもらわずに、自分の攻撃を当てる試合では、距離、フットワーク、ひとつひとつのディフェンス技術が勝敗を分けます。
全くの素人が見ると、なんだか物足りない内容になるかもしれませんが、格闘技を見慣れている人や格闘技の実践者から見ると「上手いな~!」という試合になります。
【3】
そして、次の段階では、探り合いと騙し合いの試合になります。
目、肩、腰のフェイントで相手の反応を見ながら、相手の穴を探し、使えそうなフェイントを模索していく。
パンチや蹴りを出すタイミングが絞られてきます。
攻撃しても、よけられたり、ブロックされたりするのが分かっているのなら、隙を作るだけなので、無駄な攻撃は出さないようになるでしょう。
何のためにこの攻撃を出すのか。
ひとつひとつの攻撃を意識的に出すことによって、将棋やオセロのような思考の闘いになっていきます。
フェイントなのか、目眩ましなのか、相手のスタミナを奪うためなのか、効かせるためなのか、倒すためなのか。
これらの組み合わせをコンビネーションに組み込んで、さらにそれを序盤に見つけた相手の弱点に滑りこませます。
素人ならもちろん、格闘技の実践者であっても、そうことを考えながら試合をしたことのない人には、手を抜いているように見えてしまうでしょう。
若い選手は、有り余るスタミナでガンガン動きながら、そんな頭脳戦を繰り広げていけばいいのですが、ナイスミドルに出るような40代、50代の選手は、いかにスタミナを浪費せず頭脳戦に持ち込むのかを考えることも面白いところです。
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