前回の記事「試合の勝敗を決める要素、その3レベル」の最終段階において、試合中もしくは、スパーリングの最中、何のためにこの攻撃を出すのかを考えることが大切だ、ということを書きました。

パンチを出すにも蹴りを出すにも、その目的が明確ではないのに、とにかく先に攻撃することが、この世の中の最善の策であるかのようにアドバイスを送るセコンドがいます。

攻撃するということは、そのタイミング、リズム、威力、角度などのデータを相手に提供すると共に、自分の隙を作ることにほかなりません。

reward

例えば、デパ地下の試食コーナー。

美味しいものを店内にいるお客さんに無料で配っています。

それは、一口の食べ物を無料で提供する代わりに、美味しいと感じてもらえれば、その後にちゃんとした商品を買ってくれるという計算があってのことです。

この世の中の無償提供というものは、すべて見返りを計算した上での行為です。

 

とにかく先に手を出す、とにかく攻撃を仕掛けるというのは、デパ地下で美味しいものを無料で配るだけで終わるということだと私は考えています。

そんな貴重なデータを提供し、貴重なスタミナを消費するわけですから、こちらにも何らかの見返りがなければなりません。

その見返りとは、目的を達成するまでの様々な材料です。

目的というのはもちろん、キックボクシングの試合における至福の瞬間、「KO勝利」ですね。

 

さて、何のための攻撃かを幾つかに分けてみると・・・・

  1. 相手の癖を読むため
  2. フェイントのため
  3. スタミナを奪うため
  4. 目眩ましのため
  5. 効かせるため
  6. 倒すため

今、思いつくのは、この6つくらいです。

判定勝利を狙って、ポイントを稼ぐためというのもありますが、ここでは最終目標をKO勝利という前提で話を進めます。

 

次回からの記事では、これらひとつひとつを、ぐぐ~っと深堀りしながら、具体的な手法と考え方を書き連ねていきます。