blindfold

キックボクシングの練習で、「目眩まし(めくらまし)」なんていう言葉は、あまり聞きませんね。

この技術を伝えるとき、どんな言葉を使うんだろう?と考えましたが、思いつきませんでした。

30年以上も打撃系格闘技をやってきた私が聞いたことのない技術用語です。

だから、勝手に「目眩まし」をいう言葉を当て込んでしまいました。

もしかしたら、この技術を教わっている人は少ないのかもしれません。

 

目眩ましとは、自分がこれから出そうとする技を隠すことです。

消える魔球のようなものです。

 

例えば、左フックを当てたいと思った時、右ストレートを途中まで打って止め、相手の視界を遮ります。

そこから、一気に左フックを振りぬきます。

 

また、右のミドルを当てたいなら、上方向から大きく振りかぶるような右フックを打ち、相手の視線を上に移動させ、それと同時に右ミドルを蹴り込みます。

これは、相手の視線を遮るのではなく、相手の視線を意図した場所に動かすのです。

視線が上に移動すると同時に、ガードも上に移動しますから、ミドルは簡単に脇腹へ潜り込んでいきます。

 

目眩ましには、自分の体の一部で相手の視線を遮る方法と、相手の視線をコントロールする方法があります。

 

私のハイキックは、よく「見えなかった」と言われるのですが、実は見えないのではなく、見せないように蹴っているのです。

右ハイキックを当てるための目眩まし。

相手の視線を遮る右ハイキックと、相手の視線をコントロールする右ハイキックの二種類、それぞれ、どうやるんだろう?と、自分で考えてみてください。

実際に体を動かしながら試行錯誤してみると、案外簡単に見つけられます。

 

大切なのは、意識することです。

自分の攻撃をどうやって当てようかを、じっくりと考えてみてください。

思いついたらスパーリングで試してみましょう。

有効だったら、更に磨きをかければいいし、無効だったら、何が悪いのかを考えます。

「熟考、試行、検証、改善」

仕事でも何でも同じですが、結局はこの繰り返しです。