「勝つ意欲」はたいして重要ではない。
そんなものは誰もが持ち合わせている。
重要なのは、勝つために準備する意欲である。
これは、かつてインディアナ大学でバスケットボールのコーチをしていたボビー・ナイト氏の言葉です。
試合の時の「勝とうとする気持ち」 「絶対に負けないという気持ち」
それは、確かにとても大切です。
さて、今回の記事は、完全に個人的な見解です。
「そうじゃねぇよ!」と思いながら読む人も多いかも知れませんが、あくまでも私個人の考え方ですので、ご了承下さい。
試合の時の勝とうとする気持ちが大切だからといって、気合を入れ直す意味で、インターバル中に怒鳴りながら選手の頬を平手で叩いたりするセコンドをたまに見かけます。
でも、私は思うのです。
試合中に勝とうとする気持ちが前面に出ていない選手は、最初からダメですよ。
セコンドが何を言おうが、そんな選手は敗けます。
どの興行を見ても分かりますが、レベルの高い選手たちは、勝ちたい気持ちなんて、どの選手も体から溢れ出そうになるくらい持っています。
応援しに来てくれた人に、自分の勝つ姿を見せたい。
練習に付き合ってくれたトレーナーや仲間たちと勝利の嬉しさを分かち合いたい。
そして、勝って上に行きたい!
その気持は、真剣にキックボクシングをやっている選手なら、誰もがとても強烈に持っているものです。
だから、「勝つ意欲」に大した差はないと思います。
大切なのは、試合当日の気持ちよりも、勝つために準備する意欲です。
どんな練習をすれば勝てるのかを徹底的に考え、ハードな練習で自分を追い込み、勝つための準備をどれだけできるのか。
実は、そこに差があるのだと思います。
教わったことを黙々とこなしていれば勝てるのかといえば、それでは足りません。
教えてもらったことに、自分の工夫をプラスすることが最も重要で、それが出来ない選手は、どこかで限界が来ます。
逆に言えば、「俺の指示した通りにやっていればいいんだ」という考え方をしている人に教わる選手は悲劇です。
教わったことを自分なりに咀嚼し、取捨選択し、その上で自分のスタイルを確立してほしいと思います。
勝つために大切なことは・・・・
- 教わったことをまずは素直に聞き入れること
- 教わったことを自分で何度も試すこと
- 自分に合ったものは取り入れ、合わないものは捨てること
- 自分のスタイルを確立すること
少し言い方を変えれば、「自分で考えさせてくれる人に教わること」とも言えます。
教わったことの何を取り入れ、何を捨てるのか。
取り入れることも大切ですが、捨てることも大切です。
取り入れるものと捨てるものを正しく選択できるかどうか。
それが、伸びていくかどうか、勝てるかどうか、トップに上り詰めることができるかどうかの別れ道だと、私はそう考えています。