自分自身、試合などで、「ガードを上げて!」と言われることがあります。
自分ではガードを上げているつもりでも、傍から見ると危険なほどに下がっていることってあるんですよね。
今回は、ガードを上げた場合と、ガードを下げた場合のメリットとデメリットについて書いてみます。
ガードを下げた場合のメリットなんてあるの?と思うかもしれません。
ガードを肩の位置まで下げると、強いパンチが出しやすいというメリットがあります。
チャンピオンクラスのプロボクサーでも、渾身の右ストレートで相手を倒しにく場合などは、拳を肩の位置から発進させる場合が多いです。
だからといって、ダメージを負っていない相手に対して、肩の位置から拳を出せば、カウンターを取られやすいというデメリットは、容易に想像がつくと思います。
では、ガードをしっかりとコメカミほどの高さに上げた場合、どんなメリットがあるでしょうか?
もちろん、パンチをもらいにくいというメリットは考えられます。
しかし、私は、一番のメリットは、パンチを無視できることだと考えています。
左のガードがしっかりと上がっている場合、相手が右ストレートを打ってきても、左のガードで防げることが分かっているので、そのパンチを無視できます。
右ストレートが無視できれば、あとはその右ストレートに何のカウンターを合わせようかを考えるだけです。
右ストレートに右ストレートを合わせてもいいし、右のロングフックも当たりそうです。
頭を左に振りながらの右ローも、頭を後ろに移動させながらの左のミドルも合わせられそうです。
ところが、ガードを下げている選手は、相手が右ストレートを打ってきたら、まず、それをブロックするか、よけるのかを考え、動かなければなりません。
相手のパンチに合わせてガードを上げていたら、カウンターを打つ余裕はなくなります。
そう考えると、ガードが下がっていることは、とても無駄な動きを強いられるということになります。
まずは、しっかりとコメカミの位置までガードを上げた構えでスパーリングができるようにしましょう。
それができるようになったら、相手のパンチを最小限の動きでブロックする練習です。
せっかくガードを上げているのに、相手のパンチに大きく反応しすぎると、ガードが崩れてしまいます。
無駄な動きをしないようにガードを上げるわけですから、相手のパンチにも無駄な反応をしないというのは大切です。
二人一組になって、パンチの受返しをしながら、無駄な動きを排除することを意識してみてください。