デビュー戦の選手からベテランや上位ランカーの選手まで、試合に出る時には、それぞれの目標があると思います。
- 試合に勝つこと
- 試合に負けないこと
- 自分に勝つこと
- KOで相手を倒すこと
この4つ、同じように見えますが、実は全く違います。
【試合に勝つことを目標にする場合】
スタミナを付け、どんどん前に出ていく力を鍛え上げるといいでしょう。
倒すことが目標ではないので、とにかく判定に有利な動き方を研究することが大切です。
【試合に負けないことを目標にする場合】
後半、相手に押されて判定負けをしないよう、スタミナを使わない戦法を身に付けるのも面白いですね。
効くか効かないかは二の次にして、とにかく相手の攻撃をもらわずに攻撃を出すテクニックに集中します。
最悪でもドローに持ち込むことができれば、目標達成なのですから。
【自分に勝つことを目標にする場合】
自分の気持ちの弱さで試合に負けると、次回の試合は、「自分に負けないこと」という目標を立てることが多いでしょう。
厳しい練習に耐え抜き、これだけ練習したんだから、自分のすべてを出しきるんだという覚悟を決めなければなりません。
相手に勝つかどうかではなく、自分の気持の弱さに勝てればいいのですから、とにかく厳しい練習で自分を追い込むことが必要です。
【KOで相手を倒すことを目標にする場合】
もちろん、KOで相手を倒せれば最高ですが、狙って倒せる試合は、それほど多くありません。
攻撃力を鍛え、相手を研究しながらその攻撃を当てるタイミングを追求していかなければなりません。
そして、相手をぶっ倒してやる!という野獣のような気持ちも必要です。
マイク・タイソンのような、天才的なディフェンス力と、一発当たれば相手が吹っ飛んで失神してしまうほどの攻撃力を身につけることができれば最高ですが、それには常人離れした才能が必要です。
誰にでもできることではありません。
普通の人は、倒すことを意識すればするほど、倒されるリスクも増加します。
倒されたくなければ、ディフェンス重視の消極的な戦法も有りでしょう。
キックボクシングをやる以上は、倒されるリスクを覚悟の上で、倒しに行く姿勢は必要です。
でも、やはり、ディフェンスもしっかりと身に付け、その上で倒せる攻撃力を身につけていくのがベストだと思います。
倒すか倒されるかの試合を何度も繰り返していくと、日常生活に支障が出るほど、脳や体にダメージを負うことになります。
それでは、試合の目標を達成することはできても、現役を引退してから、人生の目標が立てられなくなってしまいます。
攻めてばかりでも、守ってばかりでも、勝つことはできません。
ディフェンスと攻撃のバランスが何よりも大切です。