OKファイトサークルには、自衛官や特殊部隊などに武器術を教えている、言わば戦闘のプロのような人が練習にきています。
彼にとっては、肉体はもちろん、身につけているもの全てが武器となり得るのではないだろうか?と思うほど、別次元の思考を持っています。
例えば、グローブ。
グローブは、パンチの衝撃を和らげるもの、外傷を防ぐためのものです。
重いグローブほど衝撃が和らぐので、安全性が高いと思われています。
確かに、それは事実です。
ところが、16オンスの重いグローブを武器にすると考えると、面白いパンチが打てるようになるのです。
16オンスのグローブを相手の顔面にぶつけると考えてみてください。
グローブがヨーヨーみないに紐で繋がれていて、それをヨーヨーみたいに手首の返しを使って相手の顔面に叩きつけるのです。
8オンスのグローブをぶつけられるよりも、16オンスのグローブをぶつけられたほうが、痛いでしょう。
これ、実際にスパーリングで彼にやられたのですが、予備動作が全く無く、驚くようなスピードで飛んできました。
ちなみに、この時はこれで目を狙われました。
一発目は、反応できずにクリーンヒット。
しばらく目を開くことができず、スパーリングを中断してもらいました。
二発目は、かろうじて頭を振ってよけたのですが、耳元で「ブンッ!」と音がしました。
16オンスのグローブがですよ!
拳をしっかりとねじ込むわけではないので、当たっても倒れるようなダメージは与えられませんが、相手を牽制するには充分な威力です。
目を狙うという話が出たついでに、もうひとつ・・・。
グローブをした状態の親指で相手の目を突くサミング(thumbing)という反則技があります。
親指で故意に相手の目を突いてはダメですが、パンチを目に当てるのは反則ではありません。
実際にはなかなか目には当たりませんし、考え方としては姑息な感じがします。
ところが、そんなつもりでパンチを打つと、モーションもなく、大振りにならずにコンパクトなパンチが打てるのです。
【グローブの小指側の角で目を狙うようにジャブを打つ】
この部分で相手の目を狙おうと思うと、脇が開かずに、まっすぐな縦拳になります。
【グローブの人差し指の第三関節辺りの突起を目に当てるようにフックを打つ】
大きく振り回すフックではなく、小さな弧を描く鋭いフックになりますが、しっかりと体の軸は回転させましょう。
手だけで打とうとしても角度が浅すぎて、この部分は目に当たりません。
今回の記事は、決して「目を狙え!」と言っているわけではありません。
パンチが大振りになりやすい人は、どこも狙わずに拳を振り回していることが多いはずです。
パンチのターゲットを明確なピンポイントにすることで、予備動作をなくし、コンパクトで鋭いパンチになります。
そのために、「目」という分かりやすいターゲットを想定してみました。
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