キックボクシング

11月に初めて試合に出場してKOで勝利した河合選手。

普段の練習では、OKファイトサークルでも、立技研究会でも、まったく歯が立たない強い先輩たちに揉まれています。

そんな中、「何かが違う」ということに気付いたようです。

その1つが、左ミドル。

彼の蹴りは、強烈です。

強烈ですが、先輩たちが相手だと、簡単にブロックされてしまい使い物になりません。

それは、なぜなのか?

そういう問題に気付き、疑問を持てること・・・それが格闘技における才能なのかもしれません。

 

本人が気づく前に、それを教えても、あまり身につかないことが多いようです。

なぜなら、それに対して真剣に悩み、真剣に知りたいと思ったわけではないから。

 

ところが、今回、「左ミドルを修正したい」と河合選手本人から申し出がありました。

まずは、普通に蹴ってもらいました。

ミドルキック1

そうなのです。

彼が普段練習している環境の中で、この蹴り方は通用しません。

蹴り出しのほんのコンマ何秒かに無駄な動きがあるためです。

左手をわずかに左に振って勢いを付けてから蹴り出しています。

 

そこで、この無駄な動きを修正した蹴りが次の画像です。

ミドルキック2

最初の蹴りに比べて、予備動作が小さくなった分、相手に届くまでの時間がほんの少しですが短縮されました。

本当は、これでも不充分で、更に予備動作を少なくしたいのですが、そのためには、もう少し練習が必要です。

 

半年経っても、一年経っても、あまり進歩していない人がいる一方で、数ヶ月の間にどんどん進歩する人がいます。

その違いは何かと言えば、自分でこういう問題に気付き、修正する意識を持てるかどうかです。

言い方を変えれば、どれだけ多くの問題に気付き、どれだけ早くそれらを改善し続けることができるかが、その人の進歩の速度であると言えるのかもしれません。

今の自分のパンチや蹴りで満足してしまい、改善すべき問題を改善しないままでは、どんなに練習しても強くなれる幅は限られてしまいます。

 

最後に、ブアカーオ選手の蹴りを貼っておきます。

カラダの軸が全くぶれていない、美しい蹴りだと思います。

ブアカーオの右ミドル

私もキックボクシングをやっている以上、この蹴りを目指したいと思っています。